水晶球
磨きに磨いた、美しい大きな水晶球が置かれています。
蝋燭の炎に照らされたその中には、さまざまな様子が映し出されてゆきます。
不思議な暗示です。球は完全な形であり、これ以上は変えようがありません。
水晶球の意味の一つはすでに完成した物…という事です。
何か手がけられて一段落している物、何とかしたいが頭打ちになっている事、
それらは実はもう、完成の状態になっているのかも知れません。
変えようが無いという事を、発展性が無いと解釈すれば悪い意味にも聞こえます。
ただ、貪欲に、もっともっと、まだまだ…と、突き動かされているだけでは、
自分の心が物欲や、私利私欲に支配されていってしまいます。
本当はもう、充分なんじゃないだろうか?と、無意識に思っている事があるなら、
走り続ける事ばかりよりも、時には状況には積極的に満足して心を満たし…
現状を受け入れて維持していく事も、
選択肢や考え方の一つでは無いでしょうか?と言うのが水晶球です。
水晶球には男女の結婚や、満ちたりた豊作の収穫、過去の夢や遺産、
いろいろな物が映し出されていきます。
時には、これまでの道のりを思い出して、
満ち足りているはずの部分については、素直に満足して、
上手上手に、現状を維持しながら、
出来る事は、小さな事からやって行きましょう…の暗示です。
水晶球はさまざまな物を映し出すでしょうが、
映っている過去の映像も、水晶球そのものも、これ以上は変わりません。
形ある物はいつかは壊れるように、ひびが入れば割れてしまう一方です。
この時は、拡大よりはむしろ前向きな現状維持、
場合によっては、積極的な整理縮小を、大切にする気持ちを表し、
次第にひびが入りだすような事があれば、その時はもう、
現在の形に固執、執着して直すよりは、
潔く次の玉を磨きましょう、と言うのが意味になってきます。