湖影
夜、湖に満月が映っています。
かすかな虫の声さえ聞こえない夜の湖畔で、湖の月の姿をじっと見つめています。
移り変わり行く風景と、それをじっと見つめて、考えている状態。
ある種、諸行無常な世の中、状態と、その中で振り回されずに、
心の目で見つめ、考える姿勢を象徴しているのが湖影です。
物質的には中々報われなかったり、むしろ下り気味の運気を感じても、
それに振り回されずに、また、そういう時だからこそ、精神的な充実を
まず目指して下さいというのが、湖影の象意になります。
月は次々と形を変えて、移り変わる物の象徴です。
それがさらに湖に映っているのですから、湖面のさざなみ一つ、
流れてきた雲一つでも変わってきます。実体である月自体も動いていきます。
そしてまた、それは手には取れません。
そこにあるのは湖面で、水面下にはまったく別の物が
潜んでいるかもしれない事になります。
湖影の時は、表面に惑わされると、中身や実体が無かったり、
内部は徐々に衰退して行っているかもしれないと言う意味があります。
見る事は大切ですが、ただ漫然と見たり、変わる姿のどれが本当なのかと、
自分の物差しで計りすぎたり、理詰めで割り切って見ようと思うと、
かえって実体とずれている危険性があります。
映り行く物なら変化そのものを見て、じっと本質を見極めるような意味の
“観る”になって来ます。
迷ったり、判断に躊躇するくらいの時には動かないで、
現状維持が出来れば、まずはそれに越した事が無い、くらいに考えます。
熟慮の上での行動ならもちろん大丈夫でしょうが、
即断即行動には、ちょっと危険な時の意味になります。
沈思黙考、熟考が大切な時と見て、勉強や一人で何かに打ち込む事、
旅行などは向いている時と考えます。